石津貫治(昭37商)

「数年前母校一橋大学へ出向く機会が数回あった。構内は草茫々。ロマネスク様式の、立派で、格調高い煉瓦造りの建物外壁は垢で黒く汚れ、一方内部は片付けと掃除不十分。荒れ果てたという悲しい印象を受けた。官の施設はこうなるのか。これではいかん、やって来て、草取りくらいならやってあげようかと思ったことであった。

ところが如水会々報三月号に一橋植樹会総会の案内があり、「キャンパスの緑を守る方針に転換してから二年が経ち…」とあるのが私の目に留まりました。これは面白そうだ。一寸冷やかし半分にせよ、兎に角様子見に総会に出てみようという気になりました。当日佐野書院に早めに行ってみると、平素からよく顔を会わせる人々が居り、「一体全体、植樹会とは何をする会なんだい?」すると「キャンパスの建物を除く全環境つまり樹木、庭園、芝生などの整備維持管理美化清掃の勤労奉仕をする」とのこと。なんだ、そうだったのか!皆で汗をかき働くわけだな。私はこれを聞くなり入会の衝動にかられ、即座に入会手続きを済ませ、既に一会員として総会の席に着いた。さて、それから四日後の四月十四日午後一時にタオル持参、汚れても良い作業着姿で初めて植樹会ボランティア作業に参加しました。総勢四十四名(内学生一名)。東京農工大学の福嶋司教授を植樹会の顧問に迎えて先生の指揮のもと、皆は鎌、鋸、刈り込み挟を手に約三時間の作業をし、心地良い汗をかきました。福嶋先生は全般の指揮指導中も時折、有益な植物についてのお話をして下さるのが印象的でした。作業後は職員集会所に集まり、一同缶ビールで乾杯後は約一時間を反省、親睦で楽しむのでした。皆もそうだと思うが私は又来月も参加するぞと心に誓い、かくて五、六、七月と毎月参加、月を追って参加人員が増えています。七月は百二十名(内学生二十七名)。植物の生育は旺盛、参加人数はまだまだ多ければ多いほど良いのです。

一方、一橋植樹会なるものがあることは薄々知っていたが、緑化のため植樹をする会だろう、構内に樹木は多すぎるくらい繁茂しているのにさらに植える必要があるのか程度に思っていた。ところが、同期の友人から樹はむしろ切る方であり、構内整備、草取りが主であると聞いて、それなら小生の思っていた、まさにやりたいことだと即入会し、五月からボランティア作業にも参加した次第である。

時計台裏側運動場近くの茫々の草を刈ると「太田可夫教授を偲ぶ会」という御影石の碑、その近くからは三四郎池ならぬ瓢箪池が現れて来た。数十人で二時間半ばかり作業すると刈った草の大きな山がいくつも出来た。快適な汗を流し、大草と格闘した労働後、顔を洗い、着替えをすると爽やかな達成感・満足感を感じる。その後職員集会所にて水分補給を兼ねて出していただくビールは大変ありがたく爽快な気持で味わえ、全員での歓談は楽しいものである。終了後同期の仲間等で昔懐かしいロージナ辺りに立寄り二次会でさらに一杯やるのも楽しみである。かくて植樹会ボランティア作業の日は身心ともに健全な半日を過ごせ、気持ち良く中央線に揺られて帰って来ることが出来る。雨天荒天でなく、都合つくかぎり毎回参加するつもりである。

五月から九月頃までは草の生長が凄く、刈っても刈っても追いつかないと思われる。従って、月一回では不十分であろうから、多数のボランティア参集者をグループ分けし、作業場所を複数にして、広い構内出来るだけ多くの場所をカバーするようご検討願ってはどうかという気もする。」