竹澤京介(平7経)

「森林インストラクター」という(元国家)資格が世の中にあるって、どれくらいの方がご存知だろうか。おそらくその認知度はまだまだに違いない。私は昨年、この資格試験に合格できた。その認知度合に関わらず自分にとっては非常に価値のある資格だ。

この資格試験は、平成3年から始まり、それ以来、資格保持者は日本全国で約2千名。年1回9月に試験が行われ、4科目の筆記試験と面接試験をパスしなければならない。筆記試験は「森林」「林業」「森林内の野外活動」「安全と教育」。もし過去の問題を見る機会があったら、その出題範囲と、一橋大学の二次試験を彷彿させる論述問題の多さに、驚かれるだろう。私は「お試し受験」をした最初の年は、ほとんど書くことが出来なく、ヒマな試験時間を過ごすことになってしまった。私は普段はアリコジャパンの保険営業マンとして、やれ相続税だ、贈与税だ、運用利回りだ、資産分散だ、とお客さまとはそんな会話と、勉強/情報収集ばかりしているので、全く分野の違う試験。しかし二度目の受験は、通勤時間を勉強時間に充て、幸いにもタイミングよくお酒の飲めない体調に陥ったため、如水会関係のお酒の席を極力お断りして受験勉強に取り組み、論述対策として原稿用紙を埋める練習をした。その甲斐あって二度目の受験は、四科目一発合格することができた。

では森林インストラクターってなんなのか。私の解釈では、普段自然に触れる機会に恵まれない方と森林という空間にいることを一緒に楽しむこと、だと思っている。「自然」や「森林」は決して快適な空間であるばかりではない。いやな虫がいたり、天気が移ろいやすく雨が降ると寒い。場所によっては土砂崩れや鉄砲水などに遭遇するとも限らない。そもそも自然相手の農林水産業という仕事が厳しいから日本はこれだけ会社員が多くなったのではあるまいか。しかし、普段「森林」に遠いところで日常生活を送っている方々にこそ、触れてもらいたいと思う。きっとなにか感じることがあるはずだと私は強く思う。都会育ちの小学生くらいのお子さんがいらしたら、是非1度でもいいから「森林」を体験させてあげて欲しいと思う。そんな方々の道先案内をするのが森林インストラクターの役割だと思っている。天気がかわったりハプニングがおこったら森林インストラクターがフォローをする。

身近で参加しやすいイベントとして、「高尾山親子自然観察会」をご紹介したい。これは、「森林インストラクター東京会」主催で、年4回、週末に高尾山の四季を親子一緒に歩くイベント。高尾山は植物の宝庫で、日本の3分の1にあたる植物の種類が高尾山にある、といわれている。植物の種類が多いということは、それを餌にする、鳥や、虫や、動物の種類も多いということ。生物の種類が豊富ということは、人間にとっても望ましい状態の自然が残っているということ。手軽に自然を体感できる貴重な山だと思う。私は森林インストラクターとしての初舞台は、この2月、冬の高尾。小学2年の男の子、小学1年の女の子2人を、山頂までお連れした。登山口からゆっくり歩いて登ったが楽しんでもらえたと思う。ご興味のある方はネットで「森林インストラクター東京会」で検索してみてください。

環境省にお勤めの一橋大の先輩のお話しによると、日本の環境問題で一番優先的に取り組まなければいけないことは「林業」だそうだ。私は35歳で受験したが、実は、社会経験が豊かで、日本経済に精通されてる方、とりわけ、これから定年退職をむかえる先輩方に、参入して活躍していただきたい分野だとひそかに思っています。ご興味のある方は、受験の具体的方法は私のホームページ(http://members.aol.com/Kyotakezawa/forestry/i/index.htm)をご覧ください。お待ちしております。

以上