S34経卒  兵藤 浩

一昨年植樹会総会に出席し入会した。卒業後約50年経って国立に来てみると、昔の木々は大変に迫力ある巨樹群になっていた。これは確かに野鳥の楽園だ。環境問題が経済の主題となりつつある昨今、この豊かな大自然は学生によい示唆を与えるに違いない。
体調が良くなったので、昨年から庭園整備活動に度々参加した。作業するほどに、実施すべき仕事の多いことが分かった。除去すべき蜜植樹木や低雑木が多い。瓢箪池はどぶ浚い、周囲樹木伐採による陽光採り入れ、池水循環装置の設置、転落防止柵の設置などが必要ではないか。あちこちの植込をよく見ると、ごみがかなり散乱している。今のごみは百年経っても腐らぬプラスチックが多いので困る。放置自転車や使用済看板も多い。廃棄物の散乱は「文化の殿堂」にふさわしくない。山積の伐採済樹木は何とかしなければならない。秋には大量の落葉が発生する。焼却するのは惜しい。
枝葉などは構外に排出せずの植樹会方針(ゼロ・エミッション主義)に反する考えではあるが、徹底的にプラスチックなどの異物を除去すればよい有機肥料材になるので、喜んで引き取ってくれる農家があるのではないか。毎回参加者数十名の労力を、もっと分別作業を含むごみ処理に注力すべきではないか。また、小平キャンパスのほうはどうなっているのだろうか。……… 毎回の作業は軽く汗をかく程度の適度の労働なので、高齢者の健康によい。作業終了後、談論風発の発泡酒付反省会は楽しい。学生が毎回十数名参加してくれるのは嬉しい。反省会は学生とOBとのよいコミュニケーションの場となっている。OBは本音で話すから、学生の方々には参考になるようである。こうした場が、学生の幅広い人間形成に役立つことを願う。
わが植樹会の活動は、数年前に実作業や広報などを分担する組織を整え、学生会員制度を創設し、東京農工大学の福嶋司教授のご指導により緑地基本計画を策定するなど、新たな取組をするようになってから、俄然内容が充実した感がある。会員数2年前約170名、現在約600名が充実ぶりを物語る。
元学長の故増田四郎氏は、植樹会の活動は一橋における「精神運動」であると言われたそうである(元如水会業務部長白石武夫氏の談)。この言葉の真意は何か。学園環境を整備する心なくしてよい学風なしの意であろうか。目立たずとも百年先を考えての意味ある活動には倦むこと勿れの意であろうか。故学長の言われた言葉の意味を、今後とも実作業に参加して汗を流す中で考えることとしたい。

以上