作業班 湯川敏雄(昭42社)

かつて、植樹会の作業の日には、傘マークの天気予報は〝はずれ〟となり、または降っている雨も作業前には上がってしまうというジンクスがあった。その証左として、100回を超える作業のうち、雨で中止になったのはわずか1回だけとのこと。
それが今年は、13回の作業のうち2回の作業が中止となった。1月は降雪のため、そして7月は作業開始直前から降りだした雨のために、作業予定を福嶋先生の地熱発電のレクチャーに急遽変更した。そのほかに、5月のKODAIRA祭準備のための共同作業のときも激しい雷雨のため作業を中途で切り上げざるを得なかった。東京の年間降雨日数は100日余りとあるので、確率のうえからは2回の中止はよしとすべきであっても、過去の伝統から推して、今年の印象としてマークしておかなくてはいけないだろう。

福嶋先生の講義に切り替えた7月

福嶋先生の講義に切り替えた7月

過去の天候については、〝諸先輩方の熱い思いが天に通じて〟という言われ方がよくされるが、今のOBが冷めているわけでは決して無い。暑さ寒さを厭うことなく、雨であろうが風が吹こうが、毎回コンスタントに40~50名の方々が集まっていただいている。その熱意には改めてお礼を申し上げたい。

加えて、学生諸君の参加数も増えた。今年前半は40名内外で、OBの方が若干多い位だったのが、後半は平均80名を超えている。この参加者の中からキャンパスをきれいに保とうとする意識が生まれ、また、将来も緑地保全に興味をもって活動できる人が育ってくれればと思う。(ただ、本音を言えば、作業開始前のわずかな時間に班分けするのに、100名を超える人数は限界に近い。これは作業体制を考える上で、将来の課題の一つである。)

作業場所や作業内容については、計画的に行なうことを志向しつつ、手入れの必要度合いを重視することとした。その結果として、第1研究館南側、情報教育棟周囲など、ここ何年か手入れされていない場所が対象となったのが今年の特徴といえよう。植樹会の強みは、大勢の力で限られたエリアを集中的に手入れすることにある。第1講義棟の北側、南側の整備を例にとれば、枯木や不要木を伐って片付け、雑草を刈り、堆積した落葉を掻いてきれいにすると、わずか2時間の作業で、ツゲやツツジが現れてくるという具合である。もちろん、建物周囲の修景に植えられた植栽で、今まで草に隠れて見えていなかったものである。
造園業者との住み分け(役割分担)がいろいろ言われているが、作業をやりっぱなしにしない限り、素人の集団であってもまだまだ手を出せるところはかなりある。ここでも、作業前と作業後の違いが顕著で、〝みんなで力を合わせればここまでできるんだ!〟と、達成感を感じられる作業ができたと思う。

今年は、ススキのゾーン(第2)、岸田ロード、哲学の道にオオブタクサが生えてきた。草丈が2mを越し、花粉症の原因ともなる外来雑草である。また、9月に岸田ロードに咲いていた黄色い花はキクイモではないかという。いずれも、昨年まではなかったもので、ササを刈ったために出てきたというより、靴裏の土に付着するなどしてタネが持ち込まれたと考えるべきである。大げさにいえば、良好な環境を守るために立ち入ること自体が、環境を悪化させる原因となることもありうる。それほど自然とは微妙なものだ、ということであろうか。

人の高さの倍ほどのブタクサを刈り込む

人の高さの倍ほどのブタクサを刈り込む

周囲を都市の環境に囲まれ、6,000人が活動するキャンパスであるから、放置すれば荒れ果ててしまうのは当然。より積極的に緑を守ろうとして、緑地基本計画がつくられている。折からその達成状況を調査しようとする段階にあるが、国立移転80年を経過して、〝これからの50年のために今何をなすべきか〟は、毎年毎年考えるべき課題である。

前述のオオブタクサは、来年早い時期に駆除するようにしなければならない。大小の課題を取り混ぜて、まだまだ植樹会の活動する余地は大いにあると結論づけたい。

以上、昨年に続いて、この1年の作業を振り返っての所感を、との要請で思いつくままに記してみた。花木の手入れ、作業用具の問題、学生植栽ゾーン、また学内のノンアルコール運動など、触れたい点はまだあるが、最後に大学当局にお礼を申し上げておきたい。
特に、施設課長以下、窓口となっている施設課の皆様方には、植樹会作業への深いご理解と支援、協力をいただいた。心より感謝申し上げ、来年以降も親密な関係を継続できるようお願い申し上げる次第である。