法学部4年 佐々木龍也

山菜を普段食べることはあるだろうか。21年間生きてきて、山菜を食べたことはほとんどなく、家族旅行で行った田舎の宿で出されたものを食べた記憶くらいしかない。もちろん、この時期に居酒屋の暖簾をくぐれば、ふきのとうのてんぷらなどの山菜料理をメニューで見かけることはある。しかし、学生同士で飲みに出かけたときには、ホッケや軟骨のから揚げといったボリュームがあり、味が濃いようなものばかりに目が行ってしまい、山菜をわざわざ頼もうという気にはなれなかった。また、毎年、植樹会で4月に山菜取りが行われていることは知っていたけれども、なかなか参加することができず、山菜と向き合う機会がこれまでなかった。
今回は、偶然福嶋先生を中心とする山菜取りのメンバーに選ばれ、生まれて初めて山菜に触れることができた。大学構内にはいろいろな山菜があり、ヨモギやモミジのように名前に馴染みのあるものもあれば、カンザンやフゲンゾウといった「これは食べるのが無理でしょ」と思ってしまうものもあった。山菜取りをしている中で印象に残っているのはドクダミだ。この山菜は爽健美茶の成分としてよく知られているが、生で見るのは初めてであった。どうやらてんぷらにしても苦味は残るらしく、あまり人気がないとのことだが、茎の部分が生でも食べることができるということで食べてみた。案の定、苦味が強かったが、癖の強い味がインパクトを放つ中で、のどをスッーと通っていく清涼感を感じることができ、お酢やごま油で味の癖を抑えたら、もっとおいしく食べられると感じた。1時間半ほどの作業で山菜取りは終了したが、その日は4月の割には暑い日であったので、終了したころには結構な汗をかいていた。
懇親会の時間になると奥様方が中心となって揚げたてんぷらがテーブルに並び、一気に周りの学生がてんぷらに箸を伸ばしていき、山菜のてんぷらはあっという間になくなってしまうほど大人気だった。私は運よく周りの学生との競争を制し、揚げたての山菜のてんぷらを頂くことができた。一番おいしいと思ったものは西洋タンポポのてんぷらで、葉の部分が厚くないため、てんぷらの持つサクサクとした食感が損なわれず、口の中で最後まで食感を楽しむことができた。てんぷらという調理法のおかげで山菜の持つ苦味も和らいでいて、ついつい私一人でタンポポのてんぷらを5つくらい食べてしまった。カンザンのてんぷらにはやはり苦味がある程度残っていて、タンポポのようにパクパクと食べ進めることはなかったが、カンザンを食べたあとにビールを流し込むと、カンザンの苦味をビールが程よく打ち消してくれて、爽快感が口の中で溢れ、ビールの共にピッタリだと気づいた。以前までは、苦味が強い山菜に対してあまり良いイメージを抱いていなかったが、今回の山菜取り企画をきっかけにして、山菜のてんぷらは今後も食べてみたいし、山菜の持つ苦味もそこまで悪いものではないと認識するに至った。自分の山菜への認識を変えてくれた山菜取り企画に参加できたことをうれしく思うとともに、おいしいてんぷらを作ってくださった奥様方にも深く感謝したい。そして今後、私が社会に出ていく中で山菜の持つ苦味のように辛く苦しいことも多くあるかもしれないが、向き合い続けることでそれらのような苦味の良さもいつか今回のようにわかっていくことができればいいなと強く感じた。

福嶋先生に勧められ、「ドクダミの根を生かじり」の佐々木さん

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