経済学部3年 木之田健

小さい頃から、どんぐり狩りをすると必ず悩まされる問題があります。
そう、白い幼虫が中から出てくるのです・・・。
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皆さまご機嫌いかがでしょうか。お初に筆をとらせていただきます、学部三年生の木之田と申します。
先の幼虫についてご存知の方は多いと思います。今年も一橋祭のクラフト教室開催にあたり、どんぐり収集に励みました。ところが悪いことに、集めたどんぐりからその虫がむしむしと、もう無視しがたい程度に湧いてくる湧いてくる。私ども学生理事は数日おきに取り除かねばならなかったのです。
さて、この幼虫を取り除いているとき、ふと私の小さい頃を思い出しました。この幼虫にまつわる小体験があったなと。あまりのなつかしさに、勢い余って寄稿文に書き留めておこうと思います。皆さまご笑覧ください。

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昔むかし、木之田少年は郊外に住んでおりました。当時の郊外は今とは違い、開発真っただ中であったため、森がまだまだたくさんありました。秋になると、そんな森にどんぐりがもりもり落ちてきます。ある日、木之田少年はその中からひときわきれいなどんぐりを見つけ、持ち帰りました。
数時間がたつと、母が悲鳴を上げて私を呼びます。何かと見ると、なんと私のきれいなどんぐりに穴が開いておりました。おまけに、白い幼虫がうようよ動いております。
きれいなどんぐりを失ったことは悲しく思いましたが、この時私は、白い幼虫がカブトムシの幼虫にとても似ていると思いました。ひょっとしたら昆虫の仲間なのかも、そう思い、虫かごに土と幼虫を詰め、観察を始めました。当たり前のことですが、この手の幼虫は数日では成虫になりません。いつしか、存在を忘れ去り、虫かごは倉庫に眠ってしまいました。
それから何か月かたったある日、またまた母が悲鳴を上げて私を呼びます。行ってみるとどうでしょう。羽音が虫かごから聞こえます。どんぐり虫は、成長し羽化して「蛾(ガ)」になっていたのでした。超悪条件下にありながら立派に成長したその姿に、木之田少年は「自然の強さ」のようなものを感じました。

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蛾という漢字は虫に我と書くから、ではありませんが、最近どうしてもこの時の「蛾」を自分に当てはめてしまいます。理由は明白、先輩方のせいです。
現四年生の卒業まであと四ヶ月、一つ上の先輩方はもうすぐ大学を離れていくのです。学園祭委員として、一学生として、あんなにお世話になって愛着のある先輩方が、立派に社会に旅立っていくのです。そんな先輩と大学で足踏みしている自分とを比較すると、もどかしさを覚えるといいますか、自分ももっともっと立派になりたいな、と思ってしまうわけです。先の蛾の話に当てはめると、先輩たちの「羽化」を見て、「うかうか」してられないなーと思っている、といったところでしょう。
お世話になったことからくる寂しさと、自分とは違う立派な存在になってしまう寂しさの両方を胸に秘めながら、先輩方の旅立ちを予感しているこの頃です。翻って見ると、自分は「就活」なるものが迫っております。将来の輪郭がここで決まるのです。自分はこれからどうなってしまうのでしょうか?人を幸せにさせる将来を築くことができるでしょうか?悪条件下で立派に羽化して見せた、あの蛾を見習わなければなりません。
将来のために努力するといっておきながら、寄稿文執筆に長く時間を使いすぎていないか、そう思い始めてきたため、これにて筆を置かせていただこうと思います。自分語りに終始してしまいましたが、なかなか楽しい執筆時間でした。
ここまでご覧頂き有難う御座いました。