モズ  (スズメ目モズ科) 全長20㎝ 留鳥

モズ

モズ

観察ポイント:学内全域

観察ポイント:学内全域

冬学期が始まり大学に復帰すると「キィーキィー、キチキチ」と甲高いモズの高鳴きがあちこちで聞こえます。冬に単独生活をするためのなわばり宣言の行動ですが、秋を実感できる声です。「百舌」は秋の季題、他に「春の百舌」「冬の百舌」も季題となっています。小型の鳥ながらネズミや、ときには自分よりも大きい鳥なども採る肉食で、鉤状に曲がった嘴を見ると「小さな猛禽」の呼び名も納得できます。英語ではButcher-bird(屠殺鳥)とも呼ばれるそうですが、実際は餌の8割以上がバッタやコオロギ・ゴミムシとのデータもあり、ちょっとおおげさかもしれません。見晴らしのよい枝に止まって、真面目な顔をして長い尾をくるりくるりと回しながら獲物に狙いを定めている頭でっかちのモズの姿はとても愛らしいものです。枝のとげや有刺鉄線の針などにカエルやバッタを突き刺しておく「モズのはやにえ」は有名ですが、何故そのようなことをするのかについては謎で、嫌いな餌をはやにえにするという説もあります。
鵙という漢字も当てますが、百舌・百舌鳥の字のほうが一般的ではないでしょうか。二枚舌ならぬ百枚舌、さぞかし嘘がうまいのだろうと思ってしまいますが、実際モズはよく他の鳥の鳴きまねをします。「この声はホオジロかな、あれっ、メジロ?ヒバリ?なんだ、この声?さては見たことのない鳥だ!」と興奮ぎみで姿を探すと、モズが思案顔で鳴いていてがっかりしたことが何度かあります。モズ固有の鳴き声に挿入した、他の鳥の鳴きまねを「ひろい込み」と呼び、「ひろい込み」のレパートリーの豊富な雄が雌にもてると言われています。以前は「ひろい込み」で獲物の小鳥をおびき寄せるためとも言われていましたが、そのような観察例は無いそうです。しかし、だまされたバードウォチャーは確かにおびき寄せられていると言えるでしょう。

法学部3年 中野晶子