カワラヒワ  (スズメ目アトリ科) 全長14.5cm 留鳥

カワラヒワ

カワラヒワ

観察ポイント:学内全域

観察ポイント:学内全域

ある日の朝早く、東キャンパスの池の傍を歩いていると、数羽の小鳥が地上からぱっと飛び立ちました。突然のことだったのでよく見えなかったのですが、翼の黄色が目に残りカワラヒワだとわかりました。「ひわ色」とは強い黄緑色のことですが、カワラヒワの翼の黄色は「ひわ色」よりもあざやかな「たんぽぽ色」に近いように思います。市街地などでも一年中普通に見られる鳥ですが、じっくり見るととても美しい鳥です。「キリリコロロ、ジューイ」「チュイーンチュイーン」など、陽気に鳴きます。カナリアの親戚だけあって、なかなかの美声です。ところで、ヒワ(鶸)の字は鳥に弱いと書きますが、何が弱いのでしょうか?実は足が弱いのだそうです。調査のために捕獲する際に、カワラヒワが網にかかると足を痛めないように大変注意を要するのだとか。
大学内では開けた場所でよく見かけます。西キャンパスの硬式野球場で30羽ほどの群れが餌取りしているのを見かけたこともあります。部活でランニングをする人が近寄ってくるたびに一斉に飛び立ち、いったん傍の木に止まってはまたグラウンドに戻ることを繰り返し、おかげでカワラヒワの飛ぶ姿を十分に堪能できたのでした。
カワラヒワは植物の種を好みますが、なかでもヒマワリの種が大好物です。花の終わったヒマワリをそのままにしておくと、うなだれた花托に止まり器用に種を取り出すカワラヒワを見ることができるでしょう。桃色の太い嘴で上手に殻をむく姿は見ていて飽きません。ヒマワリの種はスズメやシジュウカラにも人気ですが、嘴の形状の違いによって食べ方が異なり、さまざまな鳥のさまざまなしぐさを楽しめます。
内田百閒の随筆に、巣落ちのカワラヒワを保護した話を書いた「河原鶸」という作品があります。この作品を読み、以前、私も巣落ち雛を育てたことがあるのを思い出しました。あのカワラヒワはその後元気で過ごしただろうか、とちょっと懐かしくなりました。

法学部4年 中野晶子