カシラダカ  (スズメ目ホオジロ科) 全長15cm 冬鳥

カシラダカ

カシラダカ

観察ポイント:兼松講堂の右脇

観察ポイント:兼松講堂の右脇

カシラダカといってもタカの仲間ではありません。スズメほどの大きさのホオジロの仲間で、冠羽があるために「頭高(かしらだか)」なのです。学名はEmberiza rustica、英名ではRustic Bunting、どちらも「田舎ホオジロ」といったところでしょうか。よく似た形で顔に黄色がはいっているミヤマホオジロは、「エレガントなホオジロ」という学名を頂いていますから、ちょっとした色の違いで随分と扱われ方が異なってしまうものです。
身近な冬鳥であるカシラダカですが、名前も姿もあまり知られていないように思います。ホオジロの仲間は体が褐色で黒い縦斑があるものがほとんどで、目を引く特徴が少なく、慣れないと識別が難しいためかもしれません。学内ではホオジロ類のうち、ホオジロ・アオジ・カシラダカの三種を観察できます。この三種はどれもスズメ大で、冬場は似たような声で鳴きます。さえずり以外の鳴き方を地鳴きといいますが、ホオジロの地鳴きは「チチッ」と2~3声、アオジの地鳴きは「ジッ」とか「ツッ」など、カシラダカは「チッ、チッ」と軽い細い声で鳴きます。といっても、地鳴きを聞き分けるのは難しいため、声の主を見つけ出して姿を確認したいところです。アオジがやぶの中や暗い木陰にいることが多いのに比べ、カシラダカは農耕地や林縁など開けた場所に群れでいるため、見つけやすいでしょう。昨年は兼松講堂脇のサクラに20羽前後が群れているのをよく目にしました。
地鳴きの細かな違いの聞き分けが要求される冬場のバードリスニングですが、暖かくなると途端に鳥の声も華やぎ、特定しやすくなります。渡去前のカシラダカは、ヒバリに似た細い声でさえずるそうです。寂しい冬の森で鳥たちの地鳴きを聞いていると春の訪れが待ち遠しくなります。

法学部4年 中野晶子