ヒガラ (スズメ目シジュウカラ科) 全長11cm 留鳥

ヒガラ

ヒガラ

全域

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明治後期に活躍した画家・菱田春草には、「落葉」と題された屏風が5点あります。その中の永青文庫所蔵・六曲一双の屏風には右隻にジョウビタキ、左隻には2羽の小鳥が描かれています。地面に下りて餌取りをしているこの2羽は、一見シジュウカラのようにも思えますが、後頭が白いこと、翼に2本の白い線が出ることからヒガラだと考えられます。この屏風は、春草が当時住んでいた代々木付近の雑木林に取材して描いたといわれますが、クヌギの葉の散り敷いた林の様子は、まさに武蔵野の雑木林です。

この屏風にも登場するヒガラは、シジュウカラの仲間の小さな鳥です。体色はシジュウカラによく似ていますが、小ぶりであること、頭に冠羽があること、ネクタイが無いことなどで見分けられます。「ツピンツピンツピン」と速いテンポで鳴き、すばしっこく動き回ります。体が小さく、針葉樹を好み、木の上の方にいることが多いため、なかなか見つけられない鳥でもあります。山地で繁殖し、冬季には低い場所でも見られ、シジュウカラ・ヤマガラ・エナガ・コゲラなどと混群を作ります。

これまでも時折、キャンパス内で見かけたり声を聞いたりしていたのですが、今シーズンはたくさん来てくれたようで、東キャンパスでもお目にかかることができました。にぎやかに飛び回る混群を追いかけると、ひときわ小さな鳥がばたばたと羽ばたいて松ぼっくりを突いているのが見られます。元気に飛び回る彼らを追いかけて、アカマツの下から双眼鏡で見上げていると、いつも目を回してしまいそうになりますが、これもキャンパス内では冬ならではの楽しみです。

言語社会研究科修士1年 中野晶子